金の地金をクレジットカードで購入して現金化する方法

更新日
  • 2020年03月30日
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最も換金性の高い物は何だろう?と考えたとき、金(きん)を思い浮かべる方も少なくはないでしょう。
金は政治や経済に左右されることのない安全な資産であり、世界各国でほぼ同じレートで換金することができる優れものです。
 
この金の地金(インゴット・ゴールドバー)をクレジットカード現金化に利用できれば、かなりの高換金率が期待できそうですね。という訳で、今回は金地金をクレジットカードで購入し、高換金率で売却する方法についてまとめてみました。

※ただし先に結論から言ってしまえば、残念ながら現金化目的ならは地金は全く適してません。理由としては地金はクレカやキャリア決済で購入することが出来ないのと、換金まで非常に手間がかかるからです。純粋にクレジットカード現金化をしたいなら、Amazonギフト券やiTunesカードの換金を強くお勧めします。

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金の価格はどうやって決まる?

金の取引は、世界中の市場で24時間ほぼ休みなく行われているため、その価格は常に変動しています。ただし、世界中の金現物価格の指標(基準)となる価格はあり、これをLBMA Gold Price(ロンドン貴金属市場協会金価格)といいます。LBMA金価格は、毎日10時半と15時にロンドン市場で決定されます。以前はロンドン金値決め価格(The London Gold fixing)とよばれ、5社の大企業によって決定されていましたが、2015年3月20日から新方式に移行しています。

金は国際的にはトロイオンス単位、米ドル建て(USD/oz)で取引されています。日本ではしばしば金貨の質量を「オンス」で表記しますが、これはヤード・ポンド法で通常使われる常衡(じょうこう)の「1オンス=28.349523125グラム」ではなく、貴金属や宝石の計量に使われるトロイ衡の「1トロイオンス=31.1034768グラム」なので注意しましょう。ちなみに日本の計量法では、「金貨の質量の計量」に限定してトロイオンスの使用が認められています。その定義は「1トロイオンス=31.1035グラム」とされ、国際協定の正確な換算数値とは若干異なります。

日本国内の金価格

金の国内小売価格は、次のような手順で決められます。

【1】海外市場の取引を参考に、1トロイオンス(31.1035グラム)の価格を算出
古いデータですが、計算当時の2016年7月29日PMのLBMA金価格は1342.00米ドル/oz(LBMA Gold Price

【2】その時点の為替レートに従い、ドルから円に換算
「1米ドル=102.5円」のため、1トロイオンス=1342.00米ドル×102.5円=137,555円

【3】1グラムあたりの価格を算出
137,555円÷31.1035グラム=4,422円

【4】3の価格に手数料を加え、消費税(8%)を乗じた金額が1グラムあたりの国内小売価格
(4,422円+α)×1.08=4,835円/グラム(2016年8月1日時点)※2020年現在はなんと6,000円の大台を突破しております。

金の国内価格変動の要因

金の国内価格に大きな影響を与える要因は、[a]LBMA金価格に代表される海外市場における取引価格と[b]米ドルと円の為替レートです。

[a]海外市場における取引価格の変動
日本国内で取引される金は、輸入を前提に価格が設定されるため、海外市場の取引価格が変動すれば国内の金価格にも影響してきます。上記の例で【1】のLBMA金価格が1トロイオンスあたり1500米ドルに上がれば、国内小売価格は1グラムあたり5,400円程度になります。

[b]米ドル/円の為替レートの変動
金は輸入が前提となっているため、ドル円の為替レートも国内の金価格にダイレクトに影響します。円高になれば国内小売価格は安くなり、円安になれば国内小売価格は高くなります。上記の例で【2】の為替レートが「1米ドル=90円」と円高になれば、国内小売価格は1グラムあたり4,200円程度まで下がり、逆に「1米ドル=120円」と円安になれば1グラムあたり5,600円程度に上がります。

金の国内小売価格の最高価格は1980年1月21日の「6,495円/グラム」で、その当時のロンドン金値決め価格(The London Gold fixing)は「850米ドル/oz」でした。2016年7月29日現在、LBMA金価格は「1342.00米ドル/oz」と当時の1.6倍になっていますが、国内小売価格は「4,835円/グラム」と当時の4分の3程度まで下がっています。これは当時のドル円の為替レートが「1米ドル=220円」程度だったのに比べ、現在は「1米ドル=102.5円」と円高になっていることが原因です。

相場価格で金地金を売買した場合の換金率

地金とは、金属を貯蔵しやすいように一定の質量で固めたものです。金の地金は、金塊・金の延べ棒・ゴールドバーとも呼ばれ、アクセサリーなどの金製品や金貨などの材料となります。この金地金を国内の相場価格で購入し、当日中に相場価格で売却すると仮定した場合の換金率を試算してみます。

【金地金税込小売価格】(田中貴金属工業株式会社|貴金属価格情報2016年8月1日時点)
4,835円/グラム 「税込買取価格」4,749円/グラム

売値と買値の差はスプレッドと呼ばれ、このスプレッドは取扱会社によって異なります。また、500g未満の金地金を売買する際には手数料(バーチャージ)が発生します。田中貴金属の場合、20g以上~50g未満のバーチャージは4,320円になるため、上記価格で金地金20gの売買を行うとすると下記のような換金率になります。

【購入価格】4,835円×20g+4,320円=101,020円(税込)
【売却価格】4,749円×20g-4,320円=90,660円(税込)
【換 金 率】90,660円÷101,020円=89.74%

このように、金地金20gの換金率は90%弱になります。思ったより換金率がよくないと感じた方もいるのではないでしょうか?これは売買価格に対する手数料の割合が高いことが原因ですが、地金の取引量が上がれば売買価格に占める手数料率は下がるため、例えば金地金100gの売買であれば換金率は約92%、手数料が無料になる500g以上であれば98%以上の換金率になります。とはいえ、500gの金地金の販売価格は242万円ほどになるため、クレジットカード現金化目的で購入できる金額ではありませんね。

金地金はクレジットカードで購入できない?

上のように90%程度の換金率が見込めるため、金地金はショッピング枠の現金化に適した商品といえそうですが、残念ながら田中貴金属のような地金の製造・販売元からはクレジットカードで購入することはできません。

Q3 地金・コインの購入代金は、クレジットカードや小切手など現金以外での支払いは可能ですか?

A.いいえ。直営店GINZA TANAKA及び、田中貴金属特約店では地金・コインの購入代金のお支払いは現金のみとなります。クレジットカードや小切手で購入することはできません。

田中貴金属工業株式会社|よくある質問
Q.金地金および金貨はクレジットカード払いで購入できますか?

A.いいえ。クレジットカードおよび小切手では金地金等をご購入できません。現金のみとなります。

よくあるご質問 | 三菱マテリアル GOLDPARK

田中貴金属のような地金の製造・販売元は、海外から輸入した金や国内で買い取った金を精錬して地金に加工し、わずかな手数料を乗せて販売しています。顧客がクレジットカード決済で購入すると、カード会社に決済額の数%という決済手数料を支払わなくてはならないため赤字になってしまうのです。そのため、販売元から金地金をクレジットカードで購入することはできません。商品券やギフトカードなどの金券と同じ理由ですね。

金地金をクレジットカードで購入する方法

前述したように、金地金はクレジットカードで購入することはできません。ただしこれは「販売元から・相場価格では」という条件付きです。多少割高でも構わないということであれば、オンラインモールやネットオークションを利用することで、クレジットカードで金地金を購入することができます。

オンラインモールで購入

AmazonやYahoo!ショッピングで「金地金」で商品検索すると、かなりの数の商品が販売されており、これらのオンラインモールを利用すれば、金地金をクレジットカードで購入することができます。

ただし、Amazonで販売されている地金は田中貴金属や三菱マテリアルが発行したものではありますが、販売しているのは発行元とは別の転売業者であり、発行元から直接購入する場合に比べて2割ほど高い価格設定になっています。例えばこんな感じで、金地金20gが「119,820円」で販売されています。
※2016年8月1日時点の販売価格。販売価格は金価格の相場にあわせて変更されます。

上の購入例のように、田中貴金属から直接購入した場合は「101,020円」であるのに比べればかなり割高に思えますが、商品代金(配送料含む)の10%は販売手数料としてAmazonに徴収されます。(Amazonにおける金地金の商品カテゴリーはホビー商品)

となると転売業者の利益は「6,818円」(配送料除く)であり、利益率は5%程度になるので、妥当な価格設定ではないかと思います。
「販売価格」119,820円-「Amazon手数料」11,982円-「商品原価」101,020円=6,818円

Yahoo!ショッピングの金地金が高い理由

このトピックは本題から逸れてしまうので、興味がない方は「Yahoo!ショッピングでは金地金を買ってはいけない」ということだけ頭に入れて読み飛ばして下さい。

さて、Yahoo!ショッピングで販売されている金地金は、発行元の販売価格の3~4割増しの価格設定になっています。なんでこんなに高いのでしょうか?その理由は、Yahoo!ショッピングの転売業者の仕入れ先がAmazonだからです。以下、転売の流れを簡単に説明しますね。

Amazonの商品をYahoo!ショッピングで転売する流れ

【1】Amazonで販売されている商品のリストを作成
【2】リストの商品を販売価格だけ変更し自社のYahoo!ストアで販売
【3】Yahoo!ストア利用者から注文が入ったら、その商品をAmazonで購入
【4】Amazonで購入した商品の配送先にYahoo!ストア利用者の住所を指定

これで意味わかりますかね?
Amazonで販売されている他社の商品を、利益分の金額を乗せて自社のYahoo!ストアで売ってるだけです。商品が売れたらAmazonから直接購入者に送るだけなので、Yahoo!ショッピングに出店している転売業者は、販売している商品に指一本触れずに利益を得ているということです。それほど手間もかからず、在庫を抱えるリスクもないため、こういった転売業者が最近増えているようですね。

Amazon商品のリストの作成やYahoo!ストアの商品登録など、面倒な作業を自動で行うプログラムもパッケージ化されて販売されています。このプログラムを利用すれば、商品の販売価格の設定は利益率を指定するだけで自動で行われます。(Amazonの販売価格を基準として、一律15%利益を乗せた価格にするなど)

Yahoo!ショッピングで販売されている金地金も、このプログラムで自動的に販売価格を設定しているのでしょう。そのため、Amazonで転売されている時点で発行元の販売価格より2割程度高いにもかかわらず、そこに更にYahoo!ショッピングの転売業者の利益が上乗せされ、相場より3~4割増しの価格になっているという訳です。ちなみにこれらの業者は、楽天市場にも同じ仕組みで出店しています。

こんな馬鹿みたいな価格設定でもそれなりに売れるらしいです。不思議なものですね。

オークションで落札

金地金をクレジットカードで購入するもう一つの方法はネットオークションを利用することです。ヤフオクの場合は「金地金」より「純金 インゴット」で検索した方が出品数が多いですね。これらのオークションで首尾よく商品を落札できれば、Yahoo!かんたん決済を利用して、クレジットカードで金地金を購入することができます。

ヤフオクでは20gの金地金で「即決価格」が11万円程度の出品がちらほら見受けられますが、これらは税抜表示になっているため、落札時には「落札価格+消費税8%」を支払うことになります。税込では12万円程度と考えるとAmazonの相場とほとんど変わりません。

ただし、落札価格に消費税がかかるのは出品者が法人や個人事業主の場合だけです。出品者が納税義務のない個人の場合は消費税はかからず、落札価格のみの支払いとなります。その分、即決価格も高めに設定されていますが、消費税分を考えるとこちらの方がお得ですね。この仕組みを知らないと最終的に支払額が多くなる商品を落札してしまうため注意しましょう。

入札の流れ【2】注意

ヤフオク!ストアが出品している商品に入札する場合、入札額は税抜です。最高入札額で落札された場合の税込価格を確認のうえ入札してください。個人(一般)の出品者は消費税の徴収は禁止です。

ヤフオク!ヘルプ - 入札する

金地金を高換金率で現金化する方法

さて、クレジットカードで金地金が購入できたら、次はそれをどのような方法で現金化するかという問題があります。どうせなら換金率が一番高くなる方法で売却したいですよね。ということで、実現可能な3通りの方法で、金地金を売却した場合の実際の換金率について試算してみました。

以下の試算において、購入する金地金はAmazonの金地金20g「119,820円」(2016年8月1日時点の販売価格)で配送料は340円とします。

Amazonで販売

Amazonには、個人向けの小口出品サービスがあります。小口出品サービスは、既にAmazonで販売されている商品と同じ商品であれば、簡単な手続きでAmazonのマーケットプレイスに出品できるというものです。

販売にかかる費用

出品時に費用はかからず、商品が売れた場合のみ基本成約料金100円と販売手数料がかかります。金地金のAmazon内での商品カテゴリーは「ホビー」のコイン・貨幣になるため、販売手数料は商品代金の総額(商品代金+配送料514円)に10%を掛けた金額になります。

配送料の514円は実際に商品配送時にかかった費用とは関係なく「Amazonが購入者から徴収する配送料」です。このうち10%は販売手数料としてAmazonに差し引かれ、出品者は配送料として「462円」を受け取れます。商品配送にかかった実費がこれより少なければ出品者の利益となり、これより多ければ配送料は赤字になります。金地金は一般書留で配送する必要があるため、実際に配送にかかる費用は下記のようになります。
「定形郵便物(25gまで)」82円+「一般書留(損害要償額10万円まで)」430円=512円

Amazonで販売した場合の換金率

以上を踏まえて、Amazon小口出品サービスで「金地金20g」を購入価格と同じ119,820円(税込)で売却した場合の換金率を試算してみます。

▼クレジットカード決済額(仕入額)

【購入価格】119,820円
【配送料】340円
【合計】120,160円

▼売上

【販売価格】119,820円
【購入者が支払う配送料】514円
【合計】120,334円

▼Amazonに支払う手数料等

【基本成約料金】100円
【Amazon販売手数料】(119,820円+514円)×10%=12,033円
【配送料】512円
【合計】12,545円

▼収入(得られる現金)

120,334円-12,545円=107,789円

▼換金率

107,789円÷120,160円=89.70%

このように、Amazonの小口出品サービスを利用すれば、Amazonでクレジットカード購入した金地金を89.70%の換金率で現金化することができます。

現金化に要する期間

Amazonで金地金を購入すれば翌日には手元に届くため、購入に要する期間は2日です。
その後、Amazonで販売してスムーズに売却できたとしても、Amazonから商品代金が振り込まれるまでには約2週間ほどかかります。(新規出品者の場合は20日~24日

商品が売れるまでの期間を考えると、金地金をクレジットカードで購入してから現金を受け取るまでに約1ヶ月程度かかります。換金率は悪くないとはいえ、よっぽど時間に余裕がない限りこの方法は使えませんね。

ヤフオクに出品

ヤフオクは、言わずと知れた日本最大のインターネットオークションサイトです。Yahoo! JAPAN IDを取得し、Yahoo!プレミアム会員登録(月額498円)を行うことで、個人でもオークションに出品することができます。また、Yahoo!プレミアム会員費用やヤフオクのシステム利用料は、Yahoo!ウォレットに登録した支払方法(クレジットカードか銀行口座振替)で支払わなくてはならないため、Yahoo!ウォレットにも登録が必要になります。

オークションにかかる費用

ヤフオクに出品するためには、月額498円のYahoo!プレミアム会員に登録する必要があります。また、オークションに出品した商品が落札された場合には、落札価格の8.64%という落札システム利用料が発生します。

配送料は出品者が自由に設定できます。「送料無料」で出品する場合には、出品者が送料を負担することになりますが、出品時に配送料(512円)を明記して落札者に負担してもらうこともできます。今回は落札商品の配送料は落札者負担として試算します。

ヤフオクで売却した場合の換金率

以上を踏まえて、ヤフオクで「金地金20g」が購入価格と同じ119,820円(税込)で落札された場合の換金率を試算してみます。

▼クレジットカード決済額(仕入額)

【購入価格】119,820円
【配送料】340円
【合計】120,160円

▼売上

【販売価格】119,820円
【購入者が支払う配送料】512円
【合計】120,332円

▼ヤフオクに支払う手数料等

【Yahoo!プレミアム会員費用】498円
【落札システム利用料】119,820円×8.64%=10,352円(小数点以下は四捨五入)
【配送料】512円
【合計】11,362円

▼収入(得られる現金)

120,332円-11,362円=108,970円

▼換金率

108,970円÷120,160円=90.69%

このように、ヤフオクを利用すれば、Amazonでクレジットカード購入した金地金を90.69%の換金率で現金化することができます。手数料がAmazonより割安なので、その分換金率がよくなりますね。

現金化に要する期間

Amazonで金地金を購入すれば翌日には手元に届くため、購入に要する期間は2日です。
オークションの開催期間は13時間から7日間(7日間+13時間)の間で自由に設定できます。そして、商品が落札されてから出品者に落札金額が振り込まれるまでの期間は、落札者の支払方法によって異なります。

落札者がYahoo!かんたん決済を選択した場合は、売上確定(落札者が支払いを完了)の翌々営業日までにはYahoo!ウォレットで指定した受取口座に振り込まれます。落札者が銀行振込を選択した場合は、通常であれば3日以内には落札金額を振り込んでもらえると「期待」しましょう(こればっかりは待つしかないので…)。

オークションの開催期間を2日で設定し、期間中に落札されれば、金地金をクレジットカードで購入してから1週間程度で現金化できます。それほど急ぎでなければヤフオクの利用は「あり」だと思います。

買取業者に売却

地金や金製品は、古物商許可があれば業として買い取ることができるため、近くの質屋や買取ショップでも買い取ってもらうことは可能です。また、ネットで検索すれば「どこよりも高く買い取ります!」などと大々的に宣伝している業者をいくらでも見つけることができるでしょう。ただし、こういった業者の買取価格は相場を大きく下回るものです。

金の買い取りを行っている99%以上の業者は、買い取った金製品を溶解・精製して地金にしたり、他の金製品に加工する(リサイクル)技術を持っていません。そのため、利用者から買い取った金は、中古品として販売可能な商品を除き、貴金属のリサイクル業者など(例えば、アサヒプリテック相田化学工業など)に売却します。つまり、リサイクル技術を持っていない買取業者は、相場を下回る価格で利用者から金を買い取らなくては利益が出ないということです。

金地金や金製品を高値で売却したいのであれば、こういった買取業者は絶対に避けなくてはなりません。ひどい業者の場合、相場を50%以上も下回る価格で買い叩かれてしまいます。では、どういった業者に買い取ってもらえばいいのでしょうか?

日本金地金流通協会の正会員がおすすめ

おすすめは「一般社団法人日本金地金流通協会(JGMA)の正会員」となっている業者です。JGMA正会員となっている業者の多くは、自社で金を溶解・精錬し地金にする技術を持っているため、そこいらの買取業者に比べ高く買い取ってもらえます。ただし、トラブル防止などの目的で郵送買取には対応していない場合が多く、店頭まで足を運ばなくてはならないという難点はあります。

郵送買取に対応していない業者への売却例では参考にならないかと思いますので、今回は、郵送買取に対応しているJGMA賛助会員の三菱マテリアルを売却先としています。

売却にかかる費用

三菱マテリアルで金地金を売却する際に発生する費用は、買取手数料と郵送費です。
買取手数料は少々高めで、100g以下の金地金の場合は6,480円(税込)かかります。また、金地金の郵送には、セキュリティサービスのゆうパックが指定されているため、郵送費は下記のようになります。
「ゆうパック(関東⇒関東:60サイズの場合)」740円+「セキュリティサービス」370円=1,110円

三菱マテリアルに売却した場合の換金率

以上を踏まえて、三菱マテリアルに「金地金20g」を売却した場合の換金率を試算してみます。

▼クレジットカード決済額(仕入額)

【購入価格】119,820円
【配送料】340円
【合計】120,160円

▼買取価格

4,738円×20g=94,760円(金価格推移 | 三菱マテリアル GOLDPARK 2016年8月1日時点)

▼手数料等

【買取手数料】6,480円
【郵送費】1,110円
【合計】7,590円

▼収入(得られる現金)

94,760円-7,590円=87,170円

▼換金率

87,170円÷120,160円=72.54%

このように、三菱マテリアルで売却した場合、Amazonでクレジットカード購入した金地金を72.54%の換金率で現金化することができます。

ちなみに、買取手数料が安めの石福金属興業の店頭で売却した場合の換金率は下記のようになります。
「買取価格」94,980円-「手数料」2,169円÷120,160円=77.23%

現金化に要する期間

Amazonで金地金を購入すれば翌日には手元に届くため、購入に要する期間は2日です。
電話で売却の申し込みを行い、その日のうちに金地金を郵送すれば翌日には三菱マテリアルに届きます。金地金の確認・鑑定が終了し、問題なければその翌々営業日には売却代金が振り込まれます。

これらを合計すると、金地金をクレジットカードで購入してから6日程度で現金化できます。店頭まで足を運ぶことができれば、金地金がAmazonから届いたその日に換金することができますが、いずれにしても換金率を考えると買取業者に売却するのは得策ではないでしょう。

まとめ

Amazonやヤフオクを利用すれば、クレジットカードで金地金を購入して90%程度の換金率で現金化することができます。ただし、実際に現金が振り込まれるまでには、Amazonは約1ヶ月、ヤフオクは6日~10日程度の期間を要するため、急ぎの場合にはこの方法は使えません。

購入した金地金を買取業者の店頭に持ち込めば、その場で現金を受け取ることができますが、最も買取価格が高い部類の業者でも換金率は80%弱になってしまいます。この程度の換金率であれば、あえて手間のかかる金地金を利用する必要はないでしょう。

以上をまとめると、時間に余裕がある場合に限り、クレジットカード現金化に利用する商品の一つになり得るかなといったところですね。

コメント

  • タナカ - 2016年12月19日 14:04

    とても興味深く読ませて頂きました。ただ、クレジットカードで地金を買うとカードそのものの利用規約に抵触しカードが解約されるのではないでしょうか?

     
    • 管理人コメント - 2016年12月19日 17:50

      クレジットカードで金地金を買う行為自体は、利用規約に抵触するものではありません。これは新幹線回数券や金券類も同様です。
      利用規約で禁止されているのは、あくまで「現金を得ることを目的としたショッピング枠の利用」。つまり、商品の問題ではなく、会員(購入者)の主観の問題です。

      では、カード会社はどのような基準で、換金性の高い商品を購入したカード会員の目的が「ショッピング枠の現金化」と判断するのか?
      これは、カードの利用状況やキャッシング枠残高、他社借入額などによって総合的に判断しています。

      なので、下記のような方が金地金をカードで購入すると、「現金化目的」と判断され、カードの利用停止や解約処分(強制退会)を受けることがあります。
      ・クレジットカードを契約したばかり
      ・ネットで高額商品を購入したことがない
      ・キャッシング枠に空きがない
      ・借入額が年収の3分の1に達している

      逆に、これらにあてはまらない場合には、問題なく購入できるかと。
      ※10万円を超えるような高額決済の場合は、カード会社から本人確認の電話が入ることはあります。

       

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